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  市立竹原書院図書館
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課題


今年の一冊


読書会を終えて

今年の一冊

吉川 五百枝

昨年4月から今年の3月までに読んだ本の中から、気になった本・お薦めの本を1冊選んで紹介するという年度末恒例の3月例会である。
 参加者の中には、自称“本中毒”という人もあるくらいで、読まれた本は相当な冊数になることだろう。
 それらの中から1冊を選んで参加するのだから、選ぶ理由付けも大変だ。
 1人10分を目途に紹介を進めるのではあるけれど、関連本も紹介したくなるし、その本についての質問にも応えなければならない。それに、誘発される話題も出てくる。そういうわけで手持ち1冊ではすまなくなって、時間が気になるのがいつものことだ。
 紹介されたのは、文学の常として、人間の観察や深層についての本が多かった。
『人間の煩悩』(佐藤愛子 著)をまず手がかりに始めた。『九十歳。何がめでたい』(佐藤愛子著 小学館)といわれる作者のユーモア精神が好きだという紹介である。人間以外の生き物も「煩悩」をもつのかどうかわからないが、「煩悩」は人が老いると共に減少していくという“若い人”の期待にもかかわらず、そんなものではないという今回の滑り出しであった。人間関係の本を辿っていけば、痴呆症や家族関係を取り上げた本が出てくる。
 煩悩熾盛の人間を映す社会情勢、特に戦争は過去を伝え現在を堀り起こし未来へなすべきことを問う本として何冊か繋がった。「戦争をしてはいけない」という価値観がすべての人を動かしているわけではなさそうな今の世界情勢だ。「今年の一冊」には挙げられなかったが、エニウェトク環礁のルニットドームを表紙にした『ヤマネコドーム』(津島佑子著)を机上に置いている参加者もあった。
 児童文学、絵本も挙げられている。絵本は子供の本だという先入観を持つ人もあるが、“たかが絵本されど絵本”である。メッセージの大きさを生活年齢相応に読み深めることになる。挙げられた絵本の作家マーガレット・ワイズ・ブラウンは、他にも邦訳されている絵本が何冊もあり、それについての話もはずんだ。
 紹介を聞いていると読みたくなる。読んだつもりの本も、そんな風にも読めるのだ、と刺激を受ける。それが「今年の1冊」をそれぞれが持ち寄る楽しさだ。
 さて来年度の課題本は、どんなラインアップになるだろうか。読んで聞くか、聞いて読むか、スタイルは自由という誰でも参加できる読書会である。

(講師)


 三行感想

〜 会を閉じて忘れぬうちに 〜


私の領域では決して手を出さないであろうと思われる本の紹介が沢山ありました。十人十色と言われますが色々な本にあたる事も大切だと思いました。今後、苦手な分野の本も読みたいです(K)


皆さんそれぞれの「おすすめの本」は読んでみたいと思うのもばかりでした。自分では選ばない本を知り、自分勝手に解釈していた本に新しい発見をしています。(N2)


本日の話題は広く深かったです。私はこの会に出席して、人間の大きなふろころに入れてもらえ、ずい分と人間的に成長させて頂けたことに感謝のみです。これから先を楽しみにしています。(M)


色々なお薦め本が出ていた。内容を如何に自分のものとして読むか行間を読み取れるか。人間の不条理、人間の本質、身の回りのは難しいものだらけ。現在の世界情勢は混沌としている。こういう中にあって本から得るものは楽しく得るものがあるかしら。(YA)


皆さんが今年の一冊を紹介して下さり、皆さんが熱を持って紹介されるのを聞いてどれもみな読んでみたくなった。戦争にいつも話が盛り上がり、戦争と経済が結び付いている部分もあり簡単に反対ですまされないむずかしさがあると感じた。(Y)

私の今年の一冊

ナタリー・バビット『時をさまようタック』

ある偶然から不老不死になったタック一家と出会う、10歳のウィニーの物語です。児童文学ですが、生きること、死ぬことについて、とても考えさせられました。書き出しもすてきです。
「八月のはじめの一週間は、とまった観覧車のいちばん上のシートみたいに、夏のてっぺんにひっかかった時間。 長い一年のてっぺんといってもいい。その前の数週間はおだやかな春から夏にむかうのぼり坂だし、そのあとの数週間は、すずしい秋へむかう下くだり坂だけれど、八月の第一週はじっとしてうごかない。ただ暑いだけ。それにみょうにしずかだ」

読書会の課題本の中では
吉本ばなな『ムーンライト・シャドウ』 です。
『近代を彩った女たち』での、渡辺つゆ女の調べ物は、 大変だったけど、とてもおもしろかったです。 (C)


 私の今年の1冊は『おやすみなさいのほん』です。
  文はマーガレット・ワイズ・ブラウン、絵はジャン・シャロー、訳は石井桃子です。

 特に最後の「ものいえぬ ちいさなものたちを おまもりください。」ではいつもジーンときます。子供達にとって眠れるのは、夜になったからではありません。何も言わなくても、自分をまるごと受けとめ愛情いっぱいに見守ってくれる人がずっと側にいてくれるから安心して眠れるのです。 作品には、子供達が安心して眠ることができる世界が実現し、いつまでも続きますように!という作者のメッセージが込められているように思えてなりません。この作者の想いが私の琴線にふれ、共感し共鳴し共有するのだと思います。

 今後、読書会に望む私のミッションは「作品の中に生きる登場 人物を深く捉え行動を分析し、作品に込められた作者のメッセージを想像し、それを自分の言葉で表す。そして自分の生き方と照らし合わせて考えてみる」です。 私にとって文学は思っていたより奥深く更に奥深く、難解でと らえにくいものなのです。とにかく精進あるのみなのです。 皆さん恐れ入りますが、来年度もよろしくお願いします! (S子)

今年の一冊

書名 著者 出版社 出版年
ヘイトデモをとめた街
川崎・桜本の人びと
神奈川新聞
「時代の正体」
取材班/編 
現代
思潮新社
2016
人間の煩悩 佐藤 愛子/著 幻冬舎 2016
君の膵臓をたべたい 住野 よる/著 双葉社 2015
こわせない壁はない
人生が新しくなる33の心得
鎌田 実/著 講談社 2013
フツーの会社員だった僕が
青山学院大学を
箱根駅伝優勝に導いた47の言葉
原 晋/著 アスコム 2015
しんがり
山一証券最後の12人
清武 英利/著 講談社 2013
宮本輝全集 第7巻 (優駿) 宮本 輝/著 新潮社 1992
時をさまようタック N・バビット/著 
小川和子/訳
評論社 1982
ムーンライト・シャドウ
 (新潮文庫『キッチン』)
吉本ばなな/著 新潮社 2002
30代記者たちが出会った戦争 共同通信社会部/編 岩波書店 2016
木暮荘物語 三浦 しをん/著 祥伝社 2010
長いお別れ 中島 京子/著 文芸春秋 2015
FUTON 中島 京子/著 講談社 2003
約束の海 山崎 豊子/著 新潮社 2014
おやすみなさいのほん M・W・ブラウン/ぶん
石井 桃子/訳
J・シャロー/え
福音館書店 1962
嫌われる勇気  岸見 一郎/著
古賀 史健/著
ダイヤモンド社 2013
梟の城 司馬 遼太郎/著 新潮社 1999
坂の上の坂 藤原 和博/著 ポプラ社 2011
海なお深く
太平洋戦争船員の体験手記
全日本海員組合編/著 全日本海員福祉センター 1986
イヤシノウタ 吉本 ばなな/著 新潮社 2016
おばあさんのしんぶん 松本 春野/文・絵
岩国 哲人/原作
講談社 2015


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